私的巡礼の記録〜妻在百三十三番霊場の旅〜

第六十番・日出山〔HIJIYAMA〕

日出山の かすみは花の 帆懸船 乗得て渡る 鶯のこへ
(ひじやまの かすみははなの ほかけぶね のりえてはたる うぐいすのこへ)

日出山・2008年7月2日撮影聖観世音菩薩
・この札所の中では恐らくここが一番山の中の集落だろう。国道117号線の宮之原橋の手前を県道238号線へ入る。百の木集落の奥、ちょうど分かれ道になっているところに百の木バス停がある。ここを左に入り山道を行くこととなる。とても細い道なので自動車の運転には注意が必要だ。山を登っていくと僅か数件の下日出山集落に着く。以前は集落の中央に観音堂があったそうであるが、現在は県道沿いに場所を移して新しく立て直されている。ところが、ここの鍵を管理している方は数年前に里の方へ引っ越してしまい、以前住んでいた茅葺きの家はそのまま空き家となっている。そのため、普段お参りに行ってもお堂の中へ入ることはできない。ただ入り口のガラス越しに観音様を見ることは可能だ。他にも建物をそのままにして里へ引っ越したお宅が何軒かあり、いずれここも廃村になるかも知れない。その時、観音様はどうなるのだろうと心配してみてもどうにもならないのである。
元々は集落の中央に位置し、集落全体を見下ろすように建てられていた。伝説によると昔、百木地内の観音様が新しい地に移ろうと考え、弓を射て矢の落ちたところを選ぶことにした。矢は、以前の観音堂裏の大岩に当たり、この地が選ばれたという。この時に矢の当たったという大岩と矢の跡といわれる穴も観音堂の跡と共に残っている。
【曹洞宗青年僧侶の会発行・妻有の百三十三番−ふる里の霊場めぐり−より一部抜粋】
【詳細な地図】
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